2007年08月18日
メディア企業が「何でも屋」になっていく...
IT系出版社が業域を拡大する過程で「総合コミュニケーション・プロバイダー」とか言い出した辺りから「危うさ」を醸し出していましたけれど、スポンサー企業の意向に沿ったタイアップコンテンツを日常的に量産し、導入事例などのコンテンツを2次利用前提で提案し、冊子の印刷まで請け負っている現在の姿は「何でも屋」でしかない。
元々、「報道指向」は強くなかったIT系メディア企業群、それでも腐ってもメディア企業であった筈ですけれど、存在意義の第一である「読者に偏りの無い信頼のおける有用情報を提供する」が実行不能となる日も遠くない無いような気もします。
企業規模が大きくなり出版不況下で「広告収入だけでは喰えない」のは事実だったと思います。しかし、目先の手っ取り早い利益確保に走り、コンテンツの受託制作に留まらずイベントからSPツール制作にまで手を広げた「何でも屋稼業」展開は、メディア自体の信頼性・ブランドを大きく毀損してしまいました。
中でもWeb読者はどれだけ自分達が営利目的に利用されても大きな声を上げませんが、非常に厳しい読者達ですから、見限られつつあるような気がします。それは「読者第一」の姿勢を忘れた時から宿命付けられた終末ですね。
読者と向き合って良質の編集記事を頑張って書き続けている編集スタッフが沢山いる事も判っていますが、特にWebメディアにおいて拡大と増殖を加速する企業方針にあまり良心を感じないのも事実。
メディア企業で無くなったそれらを何と呼称するのが適当なんだろうか。