3/1にリニューアルされた「ITpro」についての雑感。
リニューアル発表会に係る過去記事に、私はこう書いた。
| 懸念としては、ITpro編集部が統一感のあるサイトを目指す過程で、
| 各雑誌のWebサイトが築いてきたブランドやコミュニティが分解しかねない事だろうか?
| 雑誌編集部主体のWeb活用に歯止めが掛かってしまう事態は避けなければいけないと思う。 と………
一例を挙げるなら「日経ソリューションビジネス」が独自に展開してきた
「ITサービスLeaders」は、リニューアルによって「ITpro」に取り込まれ、
テーマとしては「Select」傘下の「ソリューション営業」になった。
「ITサービスLeaders」の人気ブログも「ITpro Watcher」からも読める形となった。
雑誌読者向けセミナーも「ソリューション営業」実施のセミナーになった。
雑誌サイトを包含する「Tech-On!」とは異なり、
新生「ITpro」は、Webサイトとして独立した外観形態を取っている為、
コンテンツを提供している「雑誌」の存在感はかなり希薄な物になっている。
「ソリューション営業」を見ても「日経ソリューションビジネス」の姿は感じない作りなのだ。
実際に主要Webコンテンツを「ITpro」に取り込まれてしまった雑誌と
例外的に取り込まれなかった雑誌Webを持つ雑誌と較べると
雑誌編集部主体のWeb活用度/自由度、ひいては読者サービスに歴然とした差が付いた気がする。
(「日経ソフトウエア Webサイト」と「日経ソリューションビジネス Webサイト」を較べよう)
Webメディアでもコンテンツ収益を上げられているなら、まだ良いのだが、
広告収益が中心となるWebメディアの勢力拡大によって、
読者からの購読料というコンテンツ収益で支えられている「雑誌」の自由な活動を阻害し、
雑誌編集部の求心力や雑誌読者向けサービスを低下させる事は賛成できない。
自前の編集部を強化して、「ITpro」オリジナルの記事も増えた「ITpro」なのですから、
雑誌Webサイトを乗っ取る形でのコンテンツ強化手法は不要なのではないでしょうか。
バランスを上手く取らないと雑誌購読者の離反を招く事になるでしょう。
IT系専門雑誌事業からの完全撤退をBP社が目指すのであれば、それでも良いが。