アイティメディアが、米国の「TechTarget社」との提携を発表したのは、
物凄?く前の事ですが、漸く来年2月よりサービス提供が開始される見通しとなった。
米国TechTarget社が行っている事業は、判り易く言い切ってしまうと
【登録者プロファイルに付加価値を付けて切り売りする事】である。
登録者の継続的な収集とリフレッシュの為に細分化された専門Webサイト群(27サイト)と
コントロールド・サーキュレーションによる無償配布専門誌(4誌)、
完全招待制の専門イベント(8イベント)を主催している。
そのような多大な労力と莫大なコストを掛けて取得した登録者プロファイルを
潜在顧客リストを欲する企業に向けて、コンサルティングを行い、販売する。
さらに言えば、リストの活用基盤が無い or 脆弱な企業に対しては、
コンサルティングの一環として活用指導?各種プロモーション・アクティビティまでを受託する。
というような物だと思えば良いと思う。(登録会員340万人、年間売上90億円だとさ)
そんな「TechTarget社」と提携している「アイティメディア」。
2月にはサービス提供基盤となる会員制Webサイト「 TechTarget Japan 」が開設される。
会員限定での「テーマ別 記事コンテンツ閲覧(米TechTarget 翻訳記事/
SBCR ビジネスインパクト記事/オリジナル記事)」や「ホワイトペーパーダウンロード」、
「 TechTarget ジャパン メールマガジンの発行 」が開始される予定だ。
開設当初の目標値としては「月間PV 80万」「登録会員 2万人」
「オリジナル記事 10?15本/日」「掲載ホワイトペーパー 300ファイル」を目指す。現在は緩いプロファイルしか取得していない「ITmedia/@IT」読者に向けて会員登録の告知/誘導を
関連Webサイト/雑誌メディアの総力を挙げて行っていく事になるだろう。
(ITmediaには「ITプレミアム」なんて物もあったような気がしまふけれど...)
既にCNET Japan/ZDNet Japanは「ホワイトペーパーダウンロード」を実施しているが、
こちらと同様に「ホワイトペーパー」をダウンロードした会員の詳細な登録情報が、
「ホワイトペーパー」掲載企業に提供される仕組みである。
(掲載企業は専用Webサイトでリアルタイムにタウンロードした会員の情報取得が出来る)
当然、「ホワイトペーパー」掲載料は有料であり、これが主な収益源の一つである。■開設当初はお得なキャンペーン価格が適用されます。詳しくはアイティメディアへ■
「会員プロファイルの切り売り」という点では、
リクルート社の「キーマンズネット」ととも類似のサービスであると言えるけれど、
コンテンツ閲覧数を保証する「キーマンズネット」に対して、
「 TechTarget Japan 」では、【セールスリード獲得数を完全保証】するメニューの投入が
予定されている点が異なる。このメニューは「ターゲットROI(仮称)」と呼ばれているが、
時期が来れば確実に導入されるだろう。
その他、登録会員数の伸びやリスト精度が安定すれば、
「リストレンタルによるメール配信代行」や「タイアップサイト」
ITmedia/@IT/メディアセレクト媒体とのセット企画なども開始されると思われる。
また、事業の進展方向としては、当然、コンサル・アウトソース系も有りだろう。
という事でやっと形が見えた「 TechTarget Japan 」。
これだけで商売にするだけではなく、
メディアセレクトの3媒体やビジネスインパクトへの広告掲載に付帯する
広告効果測定サービスも是非、早期に提供していただきたい(無料とは言わないからさ)。
※同時期から加わる松浦取締役が、このネタを放っておくとは思えないけれど......
最早、IT系専門雑誌には広告効果を明示できるギミックが不可欠です。
それを標準装備できない専門雑誌媒体は広告媒体としては厳しいと思う。
(ターゲティング領域が超狭い媒体には、まだ少しは猶予があると思うけれど)
「資料請求サービス」の廃止後、経費削減だけをしておいて、
ナゼ?広告主や読者サービスの為に何も出来なかったのだろう?
(雑誌がたくさん売れたブーム時のウハウハ記憶が捨て切れなかったから......)
効果が不明瞭ゆえに何となく雑誌が救われてきた時代は終わったんです。
セミナーやイベント、Web etc...と連動してやっと広告が貰える現状を考えると
効果が不明確な媒体が広告媒体として評価してもらえる時代は終わったのです。
だからと言って、雑誌に雑誌の良さがある、何でもかんでも切り捨てる事は無い。
「明確な効果指標」さえあれば専門雑誌は必ず復活できると信じてます。
その事をアイティメディアが証明してくれるかもしれないというのは皮肉だ.....(苦笑)
日経BP社 ITPro等も次のリニューアルでは「ホワイトペーパーダウンロード」を
搭載してくると思いますが、是非とも雑誌媒体への活用視点もバッチリ取り込んで下さい。