日本の景気は一応、上向きですが、IT系出版業界の動きは相変わらず鈍い。
各誌の部数は安定を見せているものの、成長要素には乏しいのが実情。
IT系媒体社は、今や、その多くが親会社を戴くグループ傘下企業ですが、
出版社としての長期的な戦略立案・実行より、
短期的な収支改善を自らが至上命題と掲げ逼塞している所が多いように思う。
(独立系でも、出版不況によって同様の傾向が見受けられますね)
恒常的なリストラ実施により士気が低下した現場と
常に親会社(あるいは株主)からの評価を畏れ、焦燥感に駆られる従僕的な経営陣。
そういった状況下で場当たり的に打ち出される新規施策や組織改革は、
不誠実な自己保身の産物と映ります。適当に体面だけを取り繕った張子の虎。
腹を括っていない小手先の施策は、体力を消耗するばかりで得る物は何も無い。
景気が良い時ならば、それでも成果は上がったのでしょうが、それは言い訳。
各社のIT系出版事業も、その黎明から四半世紀が経過しました。
本人達が気が付かない所で組織と人の老朽化、陳腐化は進んで来た筈です。
でも、今なら、まだ、立て直せると思うのです。
経営陣がキッチリと、公正にその責任を明確化するだけではなく、
現場もまた、無責任/無自覚に流される事を止め、戦わなくてはいけない。
そうすれば、時代遅れの斜陽産業になって朽ち果てずに済むと思います。
自己申告の出鱈目な発行部数ではなく「平均印刷部数」を初めて掲載する
日本雑誌協会の「マガジン・データ」が10月に発行予定ですし、
出版業界全般に「変革」の機運は高まっていると言えます。
会社も人も(国もね)未来永劫生き続けられる物じゃありませんから、
守勢に終始して消えるのは馬鹿馬鹿しいだけだと思いますよね。普通。(違う?)
作り手がワクワクしない、縮こまった雑誌は、やっぱり読者も面白く無いです。
「オマエは、単なる無謀な大馬鹿者だ」というご批判は甘んじて受けます。
しかし、今のままでは「ジリ貧」という認識は、誰もが持っているでしょう?
自称・組織人失格の私の言う事なので、歯牙にも掛けないかもしれませんけれど(苦笑)
本質はIT系出版に限らない社会全般が抱える複雑な問題なのだと思いますが、
何にしても、業界が元気になって、読者や広告主が喜んでくれるなら、それが一番。
やっぱり、変だな。この文章......。