・日経IT21中小企業のITを応援する「日経IT21」ですが、中小企業と言ってもピンからキリまでの為、レンジを広く取る意味合いを考慮したのか「500万社のためのIT活用実践誌」を謳っています。力の入った特集は「21社」の事例を取り扱っていますし(成功事例中心なのは△)、基本用語の小冊子も添付、図版も多用しています。また、具体的な説明部分の画面イメージも大きく、解説本と同様です。全体的なトーンを見ると、「寅さんのタコ社長」のような、従来はITによる業務の効率化・合理化等とは無縁だった層を取り込もうという気概に満ちていると言えるでしょう。日経IT21はターゲットを「中小零細企業のオジ」に絞った「初心者誌」です。ターゲット読者は「仕事に活かしたい」という明確な目的を持っているものの、決定的にITスキルが不足しています。苦戦する「一般の初心者誌」との違いは読んでもらうことで読者の「仕事に活かす」事。問題は「タコ社長」達が読み続けられるだけの魅力が「日経IT21」に有るか?ですが、専門用語は説明文に必要なものの、その辺りの割切り方に、一般のIT雑誌の編集癖も感じられます。(非常に難しい問題ですが)「オジ向け」が顕著なので、起業(シニア起業も含め)関連の記事も有ると良いですね。エンタープライズ系寄りの広告もたくさん有りますが媒体的には場違いチック。書店販売は正解だと思います。寸評にしては長くなりましたが期待してます。
・ITセレクトメディアセレクトの「ITセレクト」。コラムや連載の執筆者にはIT業界ジャーナリストや著名人が名を連ねている。その文体による影響もあり、業界誌的、インサイダー誌的な匂いもする。(覆面座談会も有りますしね)全体としては「日経IT21」とは異なり、もう少し上の層に向けたIT情報誌。なおかつ、娯楽性をプラスして、機内誌様の仕上りとも見える。創刊号に関しては「インテュイットの平松氏」のインタービューも有ったりして、本郷3丁目人脈のお披露目という感じも受けたが、従来のITビジネス誌とは一風、違う事は確かなので、Webによる各種サービスの始動も含めて、今後に期待したい。
・インターネットファン毎日コミュニケーションズの「インターネットファン」。コンテンツガイドに徹した気軽な作りには好感が持てます。所謂、○○Walkerなどの情報誌にも近いテイストで展開する誌面はお気楽に読めます。読者にPCの使い方までフォローした結果、気楽さを失った過渡期を経て、基本に立ち返ったインターネット情報誌はなかなか良いです。そこそこのボリュームに CD-ROM が付いていて「500円」。(Web もあるので CD-ROM 要らないですけど。プロバイダの広告は欲しいもんネ)特集の息切れがすぐ来なければ、なかなか有望な雑誌だと思います。